コネヒト開発者ブログ

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レコメンデーション機能を実装するまでの "not 技術的" な取り組みについて

こんにちは。テクノロジー推進グループで機械学習周辺を担当しているたかぱい(@takapy0210)です。

最近観葉植物を購入しました。デスクに緑があると仕事が捗る気がし(ry

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仕事を捗らせてくれる魔法の植物

今回は質問のレコメンデーションをアプリに実装*1するまでの中で行ってきた、チームビルディングやプロジェクトの進め方についてお話しようと思います。
(技術的な話は、2021年02月25日に開催するイベント*2でお話しできればと思います!)


目次


はじめに

2020年11月頃から、テクノロジー推進グループはデザイングループと共創し、アプリ内にレコメンデーション機能を導入するプロジェクトを始めました。

本エントリでは、

  • 初めて一緒に仕事をする(デザイナーと一緒に仕事をするのが初めてだった)
  • ステークホルダーが多い(アプリに新しい機能を実装するので、CTO, PdM, デザイナー, エンジニアなどが関係している)

というプロジェクトの中で、どのようなことに取り組みながらプロジェクトを進めていったのかについてご紹介できればと思います。

取り組んだこと

以下、時系列に実践してきたことを紹介していきます。

ドラッカー風エクササイズ

冒頭で述べた通り、テクノロジー推進グループとデザイングループで1つのプロジェクトを行うのは初めてでした。
もちろんランチなどで話をしたことはあるものの、知っているようで知らないことも多いのでは?という思いもありました。

そこで、まずは仲間のことを知る時間を作ろうということで、ドラッカー風エクササイズを行いました。

ドラッカー風エクササイズとは?

  • チームビルディングの手法
  • チーム全員がそれぞれお題の質問に答え、共有し合うワーク
  • 相互理解の促進と期待のすりあわせという効果がある
  • 特にプロジェクトの開始時や新メンバーを迎えるときに効果的

と言われています。

今回は以下のような効果を見込んでワークを行いました。

  • メンバーの得意なことを確認・発見し、チームの力を最大限引き出す
  • 期待値を擦り合わせて、円滑なコミュニケーションとチームの成長を促す
  • その期待は重い…という場合はベビーステップを考えられる状態になる

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エクササイズの様子。Miroで行いました。

このワークを通じて、「何が得意なのか」ということはもちろん、「私はこんな仕事の進め方は苦手」などといった共通認識を取ることもできました。
また、「〇〇さんにはこんなことを期待しているけど、どう?」といった議論がカジュアルにできたりと、非常に有用なワークだったと思います。

我々はなぜここにいるのか(インセプションデッキの作成)

インセプションデッキ*3とは、アジャイル開発のプラクティスの1つで「プロジェクトを始める前に明らかにしておくべき大切なことを知るための活動」と言われています。

インセプションデッキは10個の質問と答えから構成されていますが、今回は「我々はなぜここにいるのか」とう1つの質問に焦点を当ててワークを行いました。
この頃はコロナが一時的に落ち着いていたので、日程調整してオフィスでワークをしていました。懐かしい。

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インセプションデッキ「なぜ我々はここにいるのか?」についてアイディアを出している様子

このワークではチームの北極星となるような、何かあったら立ち返る場所を作ることを目的として行いましたが、別の観点から「バケーションの写真」としての効果もあるようです。(弊社のエンジニアが教えてくれました)

バケーションの写真とは、旅行で撮った1枚の写真を見れば、その旅行で何があったか/どんな感情だったか、ということが頭の中に蘇ってくるように、全員で決めた「我々はなぜここにいるのか」の標語を見れば、そこにたどり着くためにどんな議論があったか、ということを全員が思い出せる状態になる、という効果のことのようです。

実際、ここで決まった標語は毎朝slackに流れる(毎日目に入る)ようにしたのですが、「なんでこれやってるんだっけ?」「誰のためにやってるんだっけ?」などを毎日思い返すことができ、チームの士気も上がっていたように感じます。

サービスの要求理解

バケーションの写真を撮るとの同時に、PdMの人とサービスの要求についても整理しました。
具体的には、下記のような図に対してそれぞれの項目を埋めることで、お互いの齟齬を減らしつつ、「なぜやるの?」を明文化しました。

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要求理解に使用した図

UIの検討

ママリの世界観を壊さないように、また、体験が大きく変わりすぎないように、デザイナー主導でいろんなアイディアを出しながらUIを決めていきました。

個人的には、UIってこんな感じに決めていくんだなぁ〜という体験ができたとの同時に、「このUIでレコメンドされたら、ユーザーはどう思うだろう?」といった思考を巡らす機会にもなり、とても楽しかったし勉強になりました。

レコメンデーションは裏側のロジックも大切ですが、「それをどのようにユーザーに届けるのか」といった部分でも結果が大きく左右されると思っています。
ロジックとUI・UXを掛け合わせて、どうすれば効果を最大化できるのか、ということを改めて考える良い機会になりました。

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MiroでUIのアイディア出しを行っている様子

先行指標やA/Bテストの進め方をPdMと握る

これは今回に限った話ではありませんが、開発を始める前に施策のメトリクスを定義しました。
具体的には下記項目について叩き台を作り、PdMと議論しながら最終的なメトリクスを決定しました。

  • Optimizing for OEC metrics: 施策のゴールとしておく指標
  • Protecting Guardrail metrics: サービスとして最低限維持したい指標
  • Understanding the Why. Local feature, debug, and operational metrics: 施策に関係しそうなユーザー行動をみる指標

また、A/Bテストの割合や実施期間についても予め決めておきました。
開発を始める前に上記の事柄を定義しておくことで、A/Bテストの前にドタバタすることもありませんし、明確な指標をイメージして開発することができるので、よりコトに向かって開発することができました。

反省点

取り組んだ中で「もっとこうした方が良かったな、どうにかできたかもな」と思う点もいくつかありました。

PdMからの権限移譲

今回の施策では、ユーザー体験が大きく変わるかもしれないということで、意思決定の多くはPdMを巻き込みながら行いました。
しかし、PdMとの日程調整は結構難しく、モノによってはこの意思決定がボトルネックとなり予定が遅れてしまう、といったこともありました。

これに対しては、「メンバー層でどこまで意思決定をしても良いか、線引きを明確にする」といったことがポイントだったかな、と感じています。
といっても、いきなり明確な線引きをするのは難しいと思うので、まずは意思決定を下す上で大切・不安に思っているポイントをヒアリングしたりなど、PdMの頭の中を徐々に理解しながら、自分たちで意思決定できる幅(信頼残高)を増やしていければ良いのでは、と思っています。

こういった信頼形成は一朝一夕ではできないことなので、日頃から積み重ねを意識していこうと改めて思いました。

深いコラボレーション

今回はデザイナーと初めての共創ということで、自分自身もワクワクしていましたが、当初想定していたよりもうまくコラボレーションできなかった感覚がありました。
もちろん、インセプションデッキの作成や、UIの検討といった部分では、ママリの世界観に精通しているデザイナーと議論することで得るものは大きかったです。しかし、当初は「サービスの体験設計など一歩踏み込んだ部分でコラボレーションしていけるのでは?」と思っていたので、少し物足りなさを感じていました。
(このあたりはリソースや他業務の優先度などとの兼ね合いもあり、ゴリゴリ推進することができませんでした)

ここで感じたモヤモヤは「当初イメージしていたものとのギャップ」も影響しているとは思うので、最初の期待値調整・リソース配分などをもう少し明確にしておけば結果は違ったかもしれません。

まとめ

本日は機械学習プロジェクトを進める上で、0→1の機能を作る際にやったことをピックアップしてお伝えしました。

機械学習に限らず、他プロジェクトでも流用できる取り組みが多いと感じているので、本エントリが同じような状況にある人の一助になれば幸いです。

最後に

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