コネヒト開発者ブログ

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2024年のコネヒト開発組織を振り返る

こんにちは。CTOの永井(shnagai)です。

今年も残すところ数日。今回は、アドベントカレンダー最終日ということで、2024年のコネヒト開発組織における印象的な出来事を自分の視点で振り返っていこうと思います。

この記事は、コネヒト Advent Calendar 2024 - Adventarの25日目の記事です。

1. Aurora MySQL v3へのアップグレード (v2EOL対応)

今年対応されたチームも多いのではと思いますが、AWS Aurora MySQL 2系のEOL対応は、大きな挑戦でした。コネヒトでは昨年行ったv1からv2のアップグレード時からこのv3への備えをしていました。 v2→v3へのアップグレードはMySQL 5.7系相当からMySQL 8.0系相当へのアップグレードを意味しており、アプリケーションへの影響を最小限に抑えつつ、各チームが連携して大規模な移行をスムーズに事故なく実現することができました。 メンバーの入れ替わりもある中で、大規模メンテナンスをやりきるナレッジを開発組織にストックするという点を今回は強く意識した移行計画になっており、短期間でやりきったことで開発組織の底力が上がったと感じています。

詳しい内容を知りたい方は、アップグレードをリードしてくれた@sasashu が書いてくれた下記記事をご覧ください。

tech.connehito.com

2.データ基盤の整備とプロダクトでの活用

今年、データ基盤の整備に本格的に着手しました。これまでもプロダクトごとに散在していたデータをBigQueryに一元化することはしていたのですが、そこに手を入れもう一段進化させました。 Dataformを採用し、BigQueryのスケジュールクエリに頼っていた中間テーブル作成等のETL処理をコード化し、その流れからデータ基盤のモデリングを再設計しています。

使われない仕組みは意味がないということがツール導入時によく叫ばれますが、このデータ基盤はしっかりと使われる基盤となっています。 具体的には、プロダクトの主要指標をデイリーで通知する部分のデータソースになっていたり、新データ基盤で管理しているデータを使ったプロダクトの機能をリリースしたりとコネヒトの事業になくてはならない存在となりました。

データ専任のエンジニアがいない体制なので、優先度を調整しながらの進化になりますが、まだまだデータまわりの課題感は大きく、来年もより事業になくてはならないデータ基盤となるべく活用事例を増やしていければと思っています。

3. エンジニアが事業部へ

4月の組織変更で、エンジニアを事業部に直接配置する形に変更しました。これまでは、開発部というまとまりでエンジニアが所属しており、各チーム毎にPdMを事業とエンジニアリングの架け橋として配置するチーム構成にしていたのですが、より事業への解像度を上げ、スピード感のある開発を実現するための挑戦です。

こちらうまくいったのかは正直まだ評価をしていません。 というのも、組織に正解はないと思っているので、1年くらいのスパンで良い/悪い変化、事業側/開発側それぞれの観点でのFBを経て、より会社として勝てる形を考えて実行していければと考えています。

一つだけ、今時点で変えたことにも言及すると、コネヒトではエンジニアの目標制度として事業目標(プロダクト開発)と組織目標(技術的チャレンジや負債解消)という大きく2つの目標があるのですが、4月のタイミングで上期は組織目標をやめることにしました。 これは、選択と集中という意味が強く、新しい組織になり事業のことをよりインプットしたりコミュニケーションする時間が増えると予想し、そこに力をかけるのが今回の変更の成功につながると考えたからです。

しかし、やめたことで組織目標という枠があることが、エンジニアとしての技術研鑽やチームをまたいだ技術的な連携を生み出す良い契機になっていることが明るみになりました。EM陣で議論を重ねて最終的に、下期は復活させました。振り返ってみると、普段の開発での改善はもちろん各々の努力でできますが、チームで働くにあたり共通の目的をもって進むというのは大きなことを成すには必要だよなと改めて気付かされました。ちなみに組織目標は、Web、iOS、Android、インフラくらいのまとまりでそれぞれの領域ごとに日常的な改善が難しいくらいのレベル感の技術的なテーマを決め、半年スパンで取り組んでいます。

他にも、レポートラインに事業側/開発側どれくらいの比率で入るかも難しいポイントで、これも適宜見直しを行っています。

4. 全社向けに生成AIを中心とした推進プロジェクト[Run with Tech]

全社への生成AI浸透を図り従業員のスキルアップと新たな価値を生み出すためのプロジェクトにも力を入れ大きな躍進を見せた1年でもありました。 こちらは特設のアドベントカレンダーがありますので、よろしければご覧ください。

コネヒト生成AI Advent Calendar 2024 - Adventar

まとめ

ここには書ききれませんでしたが、他にも自治体向けの新規事業に向けた技術的な挑戦をしたチームがあったり、、ママリとしては初と言っていいくらいのUIの大きなリニューアルをしたりと大きなチャレンジができた2024年でした。

2025年は、コネヒトの開発組織として掲げているTech VisionのPhase2最後の年となります。「Beyond a Tech Company」を実現すべく、一人ひとりのエンジニアが楽しみながら仕事に向き合い、ビジネスやプロダクトがテクノロジーの力で成長しているその中心にいる開発組織になっていければと思っています。