コネヒト開発者ブログ

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「なんとなく」でサービス開発をしてませんか? 急成長中のスタートアップ3社が語る「データドリブン」開発手法レポート!

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はじめまして。Connehito CTOの島田(@tatsushim)と申します。 弊社でも開発者ブログを通じて、ユーザーのために使用している技術や開発手法等についてご紹介させていただくことになりました。 今後ともよろしくお願いします!
さて、早速ですが先日「データドリブン勉強会」という勉強会を開催させていただきました。 元々30名での開催予定だったのですが、予想を超える申込数があり、最終的には80名の方々に応募いただきました。 抽選で漏れてしまった方々もいらっしゃいましたので、こちらにレポートをまとめて少しでも当日の内容を共有できればと思います。


イベントの内容

ユーザーファーストをどう実現してる?データドリブンで急成長中のスタートアップ3社が語る開発手法

「データドリブン勉強会」とは、データドリブンで行うサービス開発についてのエンジニア向け勉強会です。
「自分自身が、開発しているサービスのターゲットユーザーでない」という3社のトップエンジニアの方々に開発手法の話を聞きながら、より良いユーザーファーストの実現方法を探りました。

タイムスケジュール

発表者 内容
開場 受付
荒川千華(フリーランス) 開演の挨拶
島田達朗(Connehito株式会社 CTO) 独身男性のためのデータドリブン講座
米山諒 (株式会社 LiB 開発担当取締役) 1 → 10 を創る開発基盤
今村雅幸(株式会社 VASILY CTO) BigQueryを用いたデータ活用基盤の紹介
堀内康弘 (株式会社 LiB 非常勤取締役 社外CTO), 島田達朗, 今村雅幸, 米山諒 パネルディスカッション
懇親会 軽食とアルコールをご用意いたします



各社のプレゼンテーション

1. 独身男性のためのデータドリブン講座

Connehito, Inc CTO 島田達朗 (@tatsushim)


まだまだ荒削りなのですが、男性である私をはじめとする開発チームがどのように妊娠・出産・子育てに疑問を持つ女性向けのサービスを開発しているかをご紹介させていただきました。 ざっくり言うと以下の3つの要点に絞れるかなと思います。

  • 振り返りをしないと自分たちが行った施策が良かったのか悪かったのかわからない
  • デプロイしっぱなしではなく、振り返りができる仕組みを持とう
  • 弊社ではGithub上に「Review」という振り返り専用のリポジトリを運用し、そこで振り返りを行うようにしている




2. 1 → 10 を創る開発基盤

LiB, Inc 開発担当取締役 米山諒 (@yuliiさん)


Lib 開発担当取締役の米山さんによる発表です。

  • Security上外部に出せないものもあるのでトラッキングツールは内製
  • A/B Testはcookpad製のchankoを利用している
  • 早く飛ぶなら銀でも金でも普通の弾丸でも良い。とにかくデプロイ回数(トライの数)が大事。




3. BigQueryを用いたデータ活用基盤の紹介

VASILY, Inc CTO (@kyunsさん)


今回会場提供をしていただきました、株式会社 VASILY CTOの今村さんによる発表です。
※ 当日のプレゼンテーションはアップロード予定がないとのことでしたので、当日の発表内容と似た発表資料をここでご紹介させていただきます。

  • Localyticsでアプリの全行動データをS3へアップ
  • その全行動データをBigQueryに入れてるから見たいデータをいつでも高速で集計可能
  • BigQueryは安い。iQONの規模で月に1万円いかない(すごい)




パネルディスカッション (モデレーター Gumi元CTO 堀内さん)

f:id:connehito:20150518193703j:plain 堀内さんの手慣れた進行でデータドリブンに関係するトピックは進み、非常に学ぶことが多かったパネルディスカッションになりました。 例えば、「企画のPDCAの回し方について」というトピックについては以下のようなお話が挙がりました。

企画のPDCAの回し方について

堀内 : 実際どういう風なチームで、どんなツールを使って施策を実行しますか?

今村 : 僕らの場合は何か企画だったり施策を行うときは、必ずハッカー、ハスラー、デザイナーのトライアングルを組むようにしています。これが「どういうチームで」という部分に対応しますね。その3人で話し合って、一緒に企画を出す感じです。実行するときに使うツールとしては、Trelloを使っています。 情報共有はQiitaチームを使っています。誰がやるのか、どうやるのか、結果どういうことが予測されるのか、結果どうだったのかみたいのを一枚にまとめる感じですね。スケジュールがかなり細かく切れるものはBacklogにまとめています。

堀内 : その企画のキックって誰がやるんですか?

今村 : キックは僕だったり社長自身だったりというところですね。あとは日々アプリの改善をやっているチームがいるので、主にそこから社内に日々上がってくる改善プランっていうのを全部集めて、優先度をつけて、「これやろう」って決める感じですね。

堀内 : 米山さんお願いします。

米山 : ウチは僕とかが(企画を)作ったりとか、あとはマーケ担当しているメンバーがあれやりたい、これやりたいみたいなのを出してきたりだとか。場合によってはエンジニアやデザイナー自身からも「こういうUIの方が良いんじゃないか」とかタスクを挙げてもらったりして、実施してる感じです。実施に関しては、僕がエンジニアなところもあってですね、あっちこっちツールを使うと管理が面倒になるので、なるべくGithubに集約しています。やっている施策は基本A/Bテストを回すことですね。フォームの順番並べ替えたりとか、色を変えたりとか。そういうのをchankoを使いながらグルグルPDCA回してます。Aというオリジナル、現在動いているものがあって、Bというパターンで新しい施策を行う際に、chankoが便利なのは、Bの方でプログラムのエラーが発生してると、勝手にそれを検知してA(オリジナル)を表示してくれるので、試そうと思ってるものが動かなくても、サービスへの影響はないので結構ライトに実験できるんです。なので、どんどんデプロイしちゃおうよという感じで施策を回しています。

堀内 : 有難うございます。島田さんのところはどうでしょうか?

島田 : はい、まずどういう風はチームでという部分ですが、まだ私達のチームは規模が小さくてですね、社員が5名で、社長を除く残りの4名がエンジニア・デザイナーというチームで開発しています。それで全員サービスに対して意見を出していく形ですね。ツールについてですが、個別のissue管理は米山さんと同じくいろんなツールを使わずGithubに集約しています。あと、エンジニアのリソースを使わずにA/BテストするためにOptimizely使ったりもしてます。

堀内 : 結構施策をしようとするといろんなところから意見が出てくると思うんですね。それで良さそうなものは全部やりたいけど、すべてはできない。そういうときの優先順位付けってどうされていますか?その辺り工夫してることとかあれば教えてください。

島田 : うちで言えば、優先度順位付けにはGoogle Spreadsheetを使ってます。重要度、タスクの重さ(工数)、それとそれを緊急でやるべきかどうかを入力して、その3つの掛け算を数値に落とします。その数値でソートすれば優先度がひと目でわかるので、その上から潰していくイメージですね。

堀内 : なるほど。それはかなりデータドリブンですね(笑)米山さんはいかがでしょうか?

米山 : うちは、優先順位のジャッジだけは僕が握ってますね。うちは今常駐でエンジニアが6名いまして、他にもマーケターや、もっというと社長が「あれやりたい」とか言い出すと収集がつかなくなるので、ちょっと基本的には「黙っててください」的な感じで(笑)やりながら、僕の方でKPIの中でやっぱり一番ボトルネックになっている部分を中心に優先順位をつけています。優先順位自体はGithubのissueの中でなんとかやろうとしてまして、milestoneで優先順位付けをしながらエンジニア同士で目線が揃うようにしています。

堀内 : 今村さんはいかがでしょうか?

今村 : そうですね、今僕らの会社の規模は50人くらい、エンジニアが20人くらいなんですが、結構社内でものすごい数の企画が走っているんですね。たぶん施策だけでいうと・・・3, 40くらい走っているんですね。それで、Trelloを見ながらユーザーに対してインパクトがあるもの順にやっていく感じでやっていますが・・・わりかしカオスな感じですね(笑)もちろんロードマップを作ってやっていますが、毎日何が起こるかわからないという中なのでわりかし柔軟にその優先順位を変えていますね。

堀内 : なるほどですね。誰かが判断しなければならないタイミングもあると思うので、その際にはここにいらっしゃるCTOの方々等が判断されたりするわけですね。




企画のPDCAの回し方自体にもフィードバックが必要

このパネルディスカッションを通し、組織のフェーズやエンジニアの人数に応じて、それぞれのスタイルがあることを強く感じました。
それらは組織の規模やカルチャーに依存する部分もあるので、数学の公式のような正解はありません。

例えば弊社の規模の場合、社員の大半がエンジニアであり、サービスの仕様にも密に関われる状態です。
結果として、各自がサービスに対して「俺の(私の)サービスだ!自分の手で、人の生活に良い影響を与えている」というオーナーシップをもって開発に取り組む環境を構築できていると思います。

良い環境を構築しつつも、弊社のGoogle Spreadsheet使った優先度順位付けにもまだ課題はあり、 実は勉強会登壇後に社内のエンジニアから挙がった声を反映させ、新たな要素を加えて現在運用を試しています。(上手くいくようでしたらまたこちらでご報告しますね)
組織やサービスの成長と共に、企画から振り返りまでのやり方もダイナミックに成長させていく。
そしてそれが結果的にサービスをより良くするサイクルに結びつくと考えています。


参加者のご意見

  • 気になっていた、企画・開発の回し方の具体的な事例が聞けて良かった。
  • スタートアップの規模の違いによる、それぞれの取り組み方は参考になる点が多かった。
  • 男性ユーザーとの違いにそれぞれの苦労がみえて面白かった。

など様々なご意見いただきました。有難う御座いました。 「 アンケート書くときにテーブルがなかったので、書きにくかった」というご意見もあり、ここは反省点でした・・・。次に活かします!


今後

アンケートから「第2回があれば是非参加したい」というお声をいただきましたので、また違う切り口で発表できるコンテンツがあれば開催したいと思っております。


謝辞

一緒に登壇していただいた、荒川さん、今村さん、米山さん、旅人CTOの堀内さん、会場提供のVASILYさんとスタッフの方々、そして参加して下さった皆さん、まことに有り難うございました。


最後にちょっとだけお知らせ

弊社ではデータドリブンでプロダクトを一緒に開発してくれるエンジニアを募集しています。
まずはランチなどご一緒しながらカジュアルにお話させてください。