コネヒト開発者ブログ

コネヒト開発者ブログ

新米マネージャーが1on1で実践していること

f:id:itosho525:20190409183944p:plain

こんにちは。サーバーサイドエンジニアの @itosho です。

Bリーグ(日本のプロバスケットボールリーグ)がシーズン佳境を迎え、週末はDAZN漬けの毎日を送っています🏀*1

というわけで、今日はバスケの1on1の話…ではなくミーティングの方の1on1の話をしたいと思います。僕は半年ほど前からプレイングマネージャーのようなポジションでマネジメント業務をしており、その中で1on1ミーティングも定期的*2に実施しています。

1on1については導入企業も増えてきており、事例も広く公開されてるようになってきましたが、まだまだ現場の個別具体的なノウハウは世に出てきていないと個人的には感じています。そこでこの記事では半年間の振り返りと知見の共有を兼ねて、僕が1on1で実施した取り組みを4つ紹介させていただきます。

なお、前職等でも多少のマネジメント経験はありますが、ガッツリやるのは初めて+コネヒトでは初めてのマネジメント経験になるので新米マネージャーという表現をさせていただいております。

1. 1on1の目的を共有

まず、初回の1on1では目的の共有を行いました。一口に1on1と言っても、社長が実施する1on1と直属の上長が実施する1on1は役割が違います。また、個々人が1on1に対して抱いているイメージや期待値も様々です。ですので、最初にそのギャップを埋めるために僕が想定している1on1の目的やイメージなどを伝えるようにしました。

具体的には以下の目的でやるよ!ということを共有しました。

## 1on1の目的
- 設定した目標を達成するための支援 
- 生き生きと働ける(≒その人が100%の力を発揮出来る)ようにするための支援
  - もやもやしていることや本当はやりたいこと何でもいいので話してください
- よろず相談
  - 会社関係なくキャリアのお悩みとかあれば(話したい人はプライベートの話でもOK)

また、これは雰囲気というかただのイメージの共有ですが、野球で例えると僕(メンター)は監督やコーチではなくキャッチャーでメンバー(メンティー)はピッチャーだよということを伝え、1on1はキャッチボールをするような場であることもセットで共有しました。

2. 1on1シートの作成

目的の共有と併せて、面談シートのような1on1シートを作成しました。個人的に1on1では雑談も大切だと思っているので、あまりガチガチにやりたくないと思っています。とは言え、やってる感だけ出して、目標の達成支援が出来ていないなら、それはメンバーの貴重な時間をいたずらに奪っているだけなので、トラッキングも兼ねて1on1の数日前に1on1シートを用意して事前に話したいことなどを書いてもらうようにしていました。また、僕からも気付いたことがあれば積極的に書くようにしていました。ただ、1on1を受ける側からすると準備のコストが高いと1on1が億劫になってしまうこともあるので事前に書くのは任意にしていました。

1on1シートのフォーマットは何度かアップデートを行い、現在は以下のような形で運用しています。

## YYYYMMDD: 第X回

### お話
- 事前に話したいことがあれば書いておいてください!

### プチ振り返り&フィードバック

#### よかったこと
- 最近よかったことや上手くいったことをお互い書くコーナー

#### よくなかったこと
- 最近よくなかったことや改善したほうがよいことをお互い書くコーナー

### Todo
- メンターの宿題を書くコーナー

簡単に説明すると、最初のお話枠は何でもよいので話したいトピックがあれば書いてもらっています。2つ目のプチ振り返り&フィードバック枠は日頃からカジュアルにフィードバック出来る場があったほうが良いかなと思い、メンバーが自分の行動でよかったと思うことやよくなかったと思うことを書き、僕はその人を傍から観察して、よかったと思うことやよくなかったと思うことを書くようにしています。基本的にはポジティブなフィードバックが多めですが、お互いに書き、それを共有することで期待値調整や認識齟齬の早期解消を行っています。最後のToDo枠は1on1の過程で発生した僕がやるべきタスクを忘れないようにメモします。ここで書いたタスクは次の1on1で進捗を報告したり、対応したタイミングで共有したりしています。

3. フィードバックワークの実施

コネヒトではOKRによる目標設定をしているのですが、その過程で中間振り返りを実施するタイミングがあります。そこで目標達成のためにいつも1on1より長めに時間を確保し、目標の振り返りと併せてワークショップ形式でフィードバックを行いました。

いわゆる、ジョハリの窓に近いようなワークなのですが、目的としては、

## フィードバックワークの目的
- 自身の振り返りと他者の振り返りを掛け合わせることで、気付きと学びを得る。
- そして、行動を変える一歩を踏み出すための後押しをする。

というのを掲げ、以下のような流れでワークを行いました。

## フィードバックワークの流れ

### 1. メンバーが以下の内容を付箋に書く
- 目標を意識して移せた行動や言動
- 目標を意識していたが出来なかった行動や言動

### 2. 僕が以下の内容を付箋に書く
- 目標に沿っていたと思う行動や言動
- もう少し目標に沿わせられたと思う行動や言動

### 3. それぞれの付箋を発表する
- 発表された付箋をメンバーが以下の画像のような四象限にマッピングする

### 4. マッピングされた付箋をみながら質問し合う
- 何故出来ないか深掘りしたりどうすれば出来るようになるか考えたり

### 5. 最後に今後注力したいポイントを1つ決める
- 決めたものは1on1シートに記載する

f:id:itosho525:20190409154121p:plain

やってみた所感としては、対面でやるフィードバックよりもコトに向かいやすい(僕のフィードバック力不足に依るところも多いですが)点が非常に良いなと感じました。

4. オフサイトでの実施

普段の1on1はオフィス内*3で行っているのですが、たまにカフェなどのオフサイトでも1on1を実施しています。もちろん、オフィス外なのでコンフィデンシャルな話は出来ませんが、いい意味で仕事っぽくない雰囲気になり、いつもと違う話が構造的にもやりやすいので時々オフサイトでやるのは良いなと思います。ちなみに事前に苦手な飲み物がないかどうかを確認しておくことも地味に大切です。

まとめ

このようにまとめると、ややもすればいい感じに1on1をやっているようにみえるかもしれませんが、まだまだ勉強不足で試行錯誤の毎日です。それでも、僕は1on1の質はメンバーのことを考えている量に比例すると思っているので、これからも日々努力を積み重ねていきたいと思っています。冒頭にも述べましたが、1on1の現場の個別具体的なノウハウはまだまだ世に出てきていないと感じています。それは最適解が会社や職種、個人、はたまたフェーズなどの変数によって大きく異なることに起因するのも原因の一つだと思います。しかし、だからこそ様々な事例を知ることも重要だと思うので、またノウハウが溜まってきたタイミングで定期的に共有を行っていきたいと考えています。この記事が誰かのためになれば幸いです。

*1:ちなみに当方、アルバルク東京のブースターです。

*2:基本的には隔週1回30分のペースで実施していますが、頻度は各人の状況や時期に応じて適宜見直しています。

*3:オフィスで実施する場合も、会議室っぽくないスペースかつ対面にならない場所を選ぶことが多いです。